2026年2月10日の記事

●醪(もろみ)の仕込み作業
  • ●醪(もろみ)の仕込み作業・2026年1月16日

  • 中川:醪(もろみ)の仕込み作業お疲れでした。昨年に続いて2回目の仕込みはいかがでしたか?

  • 杉浦:蒸米を手作業で冷ます作業は、麹作りでも経験しましたが、その時とは量が違うので最後の方は腕が本当に疲れました。
    やはり大変な作業ですね!

  • 中川:杉浦さんはやはり農作業で普段から身体を動かしてらっしゃるので、身のこなしがとても軽い!作業の飲み込みも早いし、本当に助かりました。
    ありがとうございました!

  • 杉浦:蒸米を混ぜていると、ほんのりと甘い香りがします。秋津穂の栽培地区や農法の違いによって、蒸し上がった時の香りや硬さに違いはあるものでしょうか?

  • 中川:私たちも驚いているのですが、同じ秋津穂という品種でありながら、蒸し上がりにも違いがあると感じています。杉浦さんのお米は他の秋津穂より蒸し上がりが少し柔らかいですし、おっしゃる通り香りは甘く、濃いですね。

手仕事が支える段仕込み
  • ●手仕事が支える段仕込み

  • 杉浦:この仕込み作業は数日に分けて行うので、段仕込み(だんじこみ)というのですね。

  • 中川:そうなんです。日本酒の製法では原料となるお米を一度にタンクに投入せず、数日かけて小分けにして仕込むのが特徴です。日数がかかる分、手間もかかりますが、原料を少しずつ加えることで、酵母が安全に発酵を進めることが出来ます。 室町時代の奈良で行われていた寺院醸造にて築かれた技術ですが、現代の私たちにも息づいています。

  • 杉浦:御所まち蔵では蒸米の放冷など機械化が進んでいるとのことですが、この山麓の蔵では手作業で行うことが多いですね。手作業で行うと、五感で気づくことが多くなりそうですね。

  • 中川:そうですね。先ほどお話した通り、蒸し上がりの微妙な差に気づくことが出来るのも、仕込みの際に手で秋津穂に触れる機会が多くなったからこそだと感じています。

発酵を待ちながら、次の季節へ
  • ●発酵を待ちながら、次の季節へ

  • 杉浦:作業の後、こうしてテラスでお話していると疲れが消えてゆくようです。普段お仕事されていて、この風景に助けられることがあるのでは?

  • 中川:季節や時間ごとに異なる自然の景色は本当に見ていて飽きないですし、癒されます。また、山麓蔵の周りは棚田に囲まれていて、実際にお酒に使わせていただいている秋津穂の産地が目の前ですので、身が引き締まる思いもありますね。

  • 杉浦:これからの管理について教えてください。

  • 中川:仕込み終わってから、これから1か月ほど発酵期間を取ります。S風の森では原料となる秋津穂の個性を出来るだけお酒に映し込むことを意識しています。ゆっくりと発酵させることで、どのような個性がお酒に現れるのか、私自身とても楽しみです!

  • 杉浦:お酒の完成とお客様にお届けできることを楽しみにしています。私もこれから3月まで、今年の棚田の土づくりに励み、6月の田植えに備えたいと思います。引き続きよろしくお願いします!

ついにお酒が完成!
  • ●ついにお酒が完成!・2026年2月10日

  • 仕込みから約1ヶ月が経過し、ついにお酒が完成しましたね!上槽をむかえて、どんなお気持ちですか?

  • 中川:ありがとうございます!私も上槽の日を無事に迎えられ、ほっとしています。

  • 杉浦:山麓蔵はまさに、農園の集落のど真ん中にあるわけですが、私も仕込み期間中は、山麓蔵の前を通るたびに、発酵の進み具合を気にしていました。秋津穂の個性を引き出すために、この期間、どんな管理に留意されてきましたか?

  • 中川:S風の森に共通していることではありますが、秋津穂ごとの個性をどれだけ表現できるかという点をとても意識しています。管理中も都度、味わいや香りの変化をチェックしていますが、今回仕込ませていただいた秋津穂は仕込んだ直後から、醪から桃のような香りが特徴的でした。初めは白桃のような穏やかな柔らかい香りから、発酵が進むにつれトロピカルな要素を持つ、黄桃やマンゴーを思わせる濃密な香りに変化していきました。この香りは風の森でも使用している7号酵母が引き出した、杉浦さんの秋津穂の持つ個性だと思っています。

いよいよテイスティング
  • ●いよいよテイスティング

  • 杉浦:日本酒造りは本当に繊細だと感じていますが、お米と真剣に向きあうからこそ、日々のわずかな変化を感じることができるのですね。さて、いよいよテイスティングをよろしくお願いします!搾り機の前にきましたが、この多数の布を通して酒粕とお酒に分けるのですね。

  • 中川:山麓蔵はとてもコンパクトな醸造所で保温性も高いですので、搾ったお酒を速やかにタンクへ送り、冷却することが出来ます。そうすることで、生酒の天敵である温度変化や酸化のリスクがぐっと減り、搾った直後の瑞々しい味わいや香りの変化を抑えることが出来ています。杉浦さん、ぜひ搾りたてのお酒を飲んでみてください!

  • 杉浦:搾り機からお酒が出てくる時の、いつもながらにこの発泡感と瑞々しさ!なんとも言えない桃系の良い香りとともに、味のまろやかさと深みを感じます。この特別栽培米秋津穂(農薬・化学肥料不使用)のバージョンと他のS風の森とでは、酒質の違いがあれば教えてください。

  • 中川:今回は搾ってからのお届けまでの期間も短く、より活き活きとした味わいを楽しんでいただけるのではないかと思っています。杉浦さんの秋津穂の素晴らしい個性を、ぜひ感じていただきたいです。

里山を次の世代に
  • ●里山を次の世代に

  • 杉浦:同じ秋津穂でも、お酒にした時の個性が違うなんてとても興味深いです。田植えからこうしてお酒になるまで、本当にお世話になりました。山麓蔵がスタートして2年目となりますが、蔵のコンセプトである里山を守るお酒作りが、酒販店や消費者へも伝わってきているように感じますがいかがですか?

  • 中川:こちらこそ農業期間中は勉強をさせていただき、ありがとうございました。 全国の酒蔵さんでも、里山や農業を守ろうとされる動きが少しずつですが増えてきていると感じます。 私たち酒蔵は農家さんが居なければ、お酒造りはできません。農家さんがより持続的に農業を続けられる仕組みを作り、里山保全や活性化に繋げていく取り組みが今後より必要な時代だと思います。 山麓蔵ではこの地区の農家の皆さんと共生し、酒販店や飲み手の皆さんと共に協力することで、里山を次の世代へ繋いでいく形を模索し続けていきたいと思います。

里山を次の世代に
  • 杉浦:上槽の今日は、残雪の棚田となりました。この雪が溶けたら、稲作の本格的な準備が始まります。そして3月には、このお酒を消費者の皆様のもとへお届けします。私も里山を守るお酒作りを、お客様にお伝えしていきます。本日はありがとうございました!

商品紹介

item-pic-dammy
農家酒屋限定
2026年3月の1回のみ出荷限定500セット

S 風の森 農家酒屋 杉浦農園 ver. 2025 (720ml、1 本)

秋津穂 特別栽培米 酒粕 (500g)付き


 

4,350円(税込み)*送料別

杉浦農園と沢山の援農者の皆様で育てた特別栽培米の秋津穂を、
「里山を100年先に繋ぐ」をテーマとする、葛城山麓醸造所にてお酒にしていただきます。
この醸造所は、里山で育ったお米を、この地でお酒に醸し、皆様にお届けすることで、
里山農業を持続可能なものとするものです。お米をほとんど磨かず、
この土地の風土と特別栽培米の個性を最大限に表現。
2026 年 3 月にお酒が出来上がり次第お届けします。

ご注文はこちら